長くに渡ったWiMAX訴訟が6月10日に東京地方裁判所で行われる法廷をもって結審となることになりました。


私個人も愛用していたWiMAXでしたが、当時はエリアが都心にしかなく、大きな駅周辺に住んでいたにも関わらず私の自宅はエリア対象外だったのでよく困ったものでした。


それでもWiMAXを契約したのは当時では画期的だった通信制限なしのWi-Fiルーターだったからなのです。


WiMAXのエリアはあまりにも狭く、WiMAXのエリア内でも電波の受信状況が相当良い環境ではないと通信速度も出ない、という今の環境から考えるとWiMAXは目も当てられないようなものでしたが、それでもWiMAXの通信制限なしというのはそれら致命的なデメリットを全て補えるほどの魅力がありました。


今回はそんなWiMAXがなぜ訴訟されることになったのか、通称WiMAX訴訟を振り返りたいと思います。




WiMAX訴訟はなぜ起きたのか

WiMAXは契約件数を伸ばすために「無制限で光回線並みのインターネット」と大きく宣伝をしておりました。


当時は早くて無制限に使えるインターネットなんてフレッツ光などの固定回線しかなかったので、WiMAXは固定回線の代わりになるWi-Fiルーターとして私も含め、重宝していた人も多かったでしょう。


冒頭でもお伝えした通り、1年ほどかけてエリアも通信速度もだいぶ解消されましたが、出始めたばかりのWiMAXのエリアは都心が中心で、その他は各都道府県の主要なところにチラホラといった感じで、その中でも特に強く受信できる場所ではないと速度もでないものでした。


その後、次世代サービスのWiMAX2+では下り最大110Mbpsから220Mbpsと徐々に高速化されていき、これまで不安定だった通信速度も徐々に解消されていく流れでした。


それが3日3GB制限が始まってからは700Kbps以下に制限されるようになり、制限にかかると速度が大きく低下するようになりました。


あれだけ無制限を武器に契約を伸ばし続けて、いざ世間からの知名度も上がってきたら手の平を返すようなこの手法に当然ユーザーは怒りを隠せません。


「制限無しを謳い文句に広めてきていきなり速度制限を行うのは誇大広告である」と訴えるユーザーが多くなり、ついには集団訴訟を起こす提案まで話が及んだのです。


日本のマーケットは話題性のないものこそ軌道に乗せるまでが死にもの狂いになるほど大変ですが、一度軌道に乗せてしまうとその話題性や人の集まるところには弱い日本人にはイメージを落とすようなことをしなければ問題なく伸び続ける傾向があります。


WiMAXは軌道に乗せるために無制限、高速インターネットという他社との差別化を計り知名度を上げる戦術は見事でしたが、その戦術の中には自社のことだけで既に契約しているユーザーのことが組み込まれていなかったことが一番の問題でした。


新規契約や知名度のことばかりに意識を囚われ、実は一番会社を支えてくれている契約中のユーザーを蔑ろにすることこそ最悪の結果になるという見本です。



WiMAX訴訟に対するWiMAXの対応は

上記の動画にもありますが、「誤解」という主張です。



WiMAX側の主張をまとめます。

  • 2013年10月のWiMAX2+サービス開始時に、2015年4月から3日間で1GB制限をすると公表していた。
  • 2015年1月のギガヤバ革命発表時に、3日間で3GB制限をすると案内した。
  • 速度制限の対象を3日間で1GB→3GBにし、YouTube動画の標準画質レベルが観れる程度の制限に緩和している。




つまりWiMAX側としては「私たちに虚偽はなく、ユーザーが勝手に誤解をしていた」ということなのです。



実際に掲載されていた広告はこちら


WiMAX詐欺騒動001

photo by UQWiMAX


契約書を取り扱う側の人はお気づきになられたと思いますが、お約束の「※2」です。


一番目立つところには都合の悪いことは載せずに「※マーク」を付けて下部に小さく告知する方法です。


確かにこれは常に契約書を注意して見るクセが付いている人ではないと、これだけ派手な色使いをされており注意をそらすような広告だと見落としてしまうのも理解はできますが、これをしっかりと告知していたというのがWiMAX側の主張です。



実際にWiMAXで告知されていたページはこのように構成されておりました。


wimax2p_5

photo by UQWiMAX



確かに告知はされてますが、わかりにくいですね。




WiMAXを含めて契約する際は注意すること

世の中には紛らわしい広告やひどい場合はあえて誤解を招くように作られている広告すらあります。


今回は大きく広がったWiMAXだからこそ、これだけ大きく報道され集団訴訟にもなりましたが、似たような事例はたくさんあります。


実際、SoftBankも同じことをやって問題になってます。


このような状況だからこそ、契約者は自分の身は自分で守る必要があります。


具体的に以下の3点を注意するようにしましょう。

  • 申込書や注意事項をきちんと読む。
  • 店員の説明をしっかりと聞く。
  • 疑問はそのままにしない。店員、もしくは電話サポートに問い合わせる。

最低限これだけのことをやっていればウソに惑わされる可能性は大幅に減ります。


回線の契約は契約したら終わりではなく契約してからが始まりですので、最初の入口は特に重要です。


後々、後悔しないためにも必ず上記3点は行うようにしましょう。

 

Source:モバイル健全化への一歩